お腹の気圧配置図
特に骨盤は自分で触って観ることは難しいので、おなか側からみていきます。
お腹の弾力をチェックするといろいろなことが見えてきます。
いわば「お腹の気圧配置図」です。
仰向けに寝て、膝を立てた姿勢でやるとわかりやすいでしょう。
最初に、ろっ骨の下、みぞおちあたりをぐっと押します。
このあたりは、うんと柔らかいほうがいい。
それこそ、ろっ骨の奥のほうまで指がずぶっと入ってしまうくらいがいい。
息を吸っても吐いても力が抜けているのがいい状態です。
ここが硬くなっているということは、どこかに緊張があって充分リラックスできていない状態です。
おへそのちょっと上あたりは、硬くも柔らかくもない状態がいい。
息を吸ったら力が入り、吐いたら力が抜けるというのが理想的。
自然に呼吸している状態で、力の入り具合、抜け加減を感じてみてください。
そして、図のピンク部分、下腹から脇腹にかけての一帯ですが、ここは一番力の入っているべきところです。
押してみたときに、がつんと跳ね返ってくるようであれば、弾力のある良い状態です。
この下腹部のあたりが、いわゆる「丹田たんでん」です。
普段「下っ腹」と呼んでいる一帯が丹田だと考えればいいでしょう。
その力の中心になるところを野口整体では特に「腹部第三」と言っています。
ここだけは常に力が入っていて、弾力がある状態が理想です。
丹田の中心である「腹部第三」の力が抜けると体は不安定になります。
丹田から力が抜けているとき、必ずどこかに偏って力が入っていたり緊張している箇所があります。
下腹部のどこが力が抜けているかを見れば、腰や骨盤の緊張状態がわかります。
例えば、脇腹の力が抜けているのは腰椎3番が弾力を失っている。
いわゆる「腰骨」、腸骨の腹側の内側あたりをつかんでみて力が抜けているようなら腰椎4番が弾力を失っている。
その少し下、すぐ内側寄りだったら、腰椎2番。
4番は興奮と覚醒を司り、2番は消化器系に深い関係があります。
ちなみに腰椎3番を中心として、2番と3番の間、3番と4番の間というのは背骨の中でも特に運動性の高い場所です。
また同じ姿勢を保つときには、腰椎3番が微妙に揺れ動くことによって無理なく「静止」していられるのです。
また腰椎2番と3番の間の動きは、胃の動きに連動します。
ここの動きが硬い人は、胃(特に十二指腸)の動きが鈍くなり、イライラしたりストレスや悩み敏感な状態にもなります。
恥骨よりちょっと上あたりの力が抜けていれば、腰椎1番。
首や頭の緊張、目の疲れなどに関係します。
恥骨のすぐ上のところの力が抜けていると、これは骨盤の下のほうがかたくなって縮まっていることを意味します。
その横の力が抜けていると、これは胸の緊張に関係があり、腰椎5番が硬くなっている。
こんな具合に一つ一つに意味があります。
体の余分な緊張を緩めれば、丹田に力が戻ってきます。
丹田を中心とした腹部の気圧配置が良ければ、体の活力は十分に引き出されるのです。
参考文献
関連ページ
おへその話
腰椎3番をゆるめる方法
三焦で分かる健康状態
腹部のチェック
お腹の硬さをチェック
★管理人補足★
下っ腹に力が入らない人は大腰筋の力が弱いせいかもしれません。反り腰になっていませんか?
チェックしてみましょう。
しゃがんで反り腰をチェック
また、みぞおちが硬い人は横隔膜が硬いということです。
猫背になったり胃腸のトラブルに悩まされたりしていませんか?
マッサージやストレッチ、腹式呼吸で横隔膜をほぐしましょう。
腹式呼吸について
内臓引き上げ運動
横隔膜をほぐすストレッチ