肩甲骨周りの筋肉、働き、チェック、マッサージ法
1.疲労を感じやすい筋肉が集まっているため、マッサージでケアを怠らないようにします。
2.筋肉の柔軟性がなくなると「コリ」を訴えやすいので、定期的に軽擦法などで柔軟性チェックを行うようにしましょう。
3.肩甲骨周りのマッサージを行う前に、体の前面の大胸筋や三角筋のマッサージをあらかじめ行なっておくと、より効果が高まります。
筋肉の働き
僧帽筋
両方の肩甲骨の間に位置する僧帽筋は、肩甲骨の働きにも深く関係しています。
菱形筋
上に小菱形筋、下に大菱形筋があり、懸垂をするときに大きく動く筋肉です。
大円筋
肩関節の内旋(上腕を体側につける)や内転(腕を内側に閉じる)などに働くインナーマッスルです。
小円筋
棘下筋の働きを助けるインナーマッスルです。
棘下筋
上腕骨を外旋(上腕を上にあげて肘を曲げ、手のひらを正面に向ける動き)させる筋肉で、肩関節を安定させるインナーマッスルです。
肩甲骨周りの基本テクニック
1.両手掌軽擦で肩甲骨周りの緊張を和らげる
●両方の肩甲骨の間を基点として、両手の手のひら(または手の根元)で首方向、三角筋方向へと2つのラインをイメージしながらさすっていきます。
●三角筋方向へは肩甲骨を包みこむようにしてさすります。
2.両母指圧迫で肩甲骨周りを刺激
●肩甲骨の内側の縁を中心に両方の親指で圧迫します。
●肩甲骨の縁が終わったら、脊柱の両サイドを圧迫していきます。
ゆっくりと押していき、力を抜いていきます。
●徐々に体重を乗せていくようにすれば、より圧迫力が増します。
3.両母指揉捏で揉みほぐす
●両方の親指を重ねた状態で揉捏を加えます。
●両母指圧迫と同じように、脊柱と肩甲骨のふちにそって揉んでいきます。
●円を描くように揉み、すこしずつ上の方に移動していきます。
●肩甲骨周りの筋肉は、強い力で揉み続けるともみ返しが出やすいので、力加減に注意します。
4.四指揉捏で菱形筋を揉む
●肘を曲げて腕を少し上げると肩甲骨が浮き上がり、菱形筋がマッサージしやすくなります。
●親指をのぞいた4本の指で、肩甲骨の内側にそって円を描くように揉んだら、上の方に移動していきます。
肩甲骨周りの柔軟性チェック
1.チェックを受ける人の肘を曲げて腕を背中に回させます。
2.操者は肩甲骨の内側に親指以外の4本の指を入れ、柔軟性をチェック。
柔軟性が高いと、ホワイトボードのイラストのように指がしっかり奥まで入り、低いとあまり奥まで入りません。
大円筋と棘下筋の位置
大円筋は肩甲骨の下の部分から上腕骨へ、
棘下筋は肩甲骨の下およそ三分の二の幅から上腕骨に付いている筋肉で、ともに上腕骨を内旋(大円筋)、外旋(棘下筋)させる働きがあります。
いわゆるインナーマッスルと呼ばれ、体の深層部にあり、小さな筋肉であるため損傷しやすい筋肉でもあります。
参考文献
関連ページ
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