水泳の注意点(腰痛・水泳肩)
しかも、水中では浮力が働き、重力が三分の一~六分の一しかかからない上、うつ伏せや仰向けの姿勢で泳ぐため、腰に体重の負荷がかかりません。
そのため、腰痛克服のための運動療法として水泳を行うケースも見受けられます。
しかし、泳いでいる最中はいいのですが、プールサイドに上がった瞬間から一気に体重の負荷が腰や下肢にかかるため、脊椎分離症など腰痛の原因となる障害を引き起こす可能性もあります。
とくに、バタフライは腰椎を曲げては伸ばす動きを繰り返すため、脊椎分離症を引き起こすケースが数多く見受けられます。
ですから、時によっては腰痛を悪化させるケースもあるのです。
そこで、腰痛対策としての運動の場合、腰の痛みが軽くなったら、陸の上の運動に切り替えることも考えましょう。
また、趣味としての水泳ではなく、競技に参加する水泳選手の場合、水の抵抗を少しでも減らすために、多少無理な姿勢で泳ぐことになります。
そのため、腰部の筋肉に緊張を強いて、疲労を蓄積し、腰痛を引き起こすケースが少なくありません。
水泳は両腕の動きと両足の動きによって水中を推進する全身運動ですが、どちらかと言えば腕など上半身の動きが占める比重が大きいスポーツです。
平泳ぎだけは推進力の6~7割を脚の動きに頼っていますが、他の三種目はそうではありません。
バタフライが推進力の約5割、背泳ぎが約6割、クロールは6~7割を腕の力に頼っています。
それだけ肩や腕の筋肉の負担が大きいので、あまり無理を重ねると、オーバーユースによる肩の障害(水泳肩)に悩まされることになります。
また、泳ぎすぎて疲れてくると、どうしても腕の力に頼って泳ごうとしますが、そうすると胴体が伸ばされ、腹筋や横隔膜が引き伸ばされます。
そんな状態でプールサイドに上がり、体重の負荷がかかるようになると、腰椎の椎間板に負担がかかり、腰痛を引き起こす原因になるので、気をつけなければなりません。
参考文献
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