腎・膀胱経の機能
腎臓は、成長ホルモンや性ホルモンなどの、ホルモンの分泌とともに、骨の生成も司っています。
骨格の発達や性成熟は腎経の働きによるものです。
髪が伸びるのは、腎経の女性ホルモンの分泌によるものです。
腎経が弱ると、老化が始まります。
老化に伴う生殖能力の低下、白髪や老眼も腎経が関係しています。
臓器としての腎臓は、腎経が司っています。
腎臓は、体内の水分調節を行う一方、血液をろ過して、尿を生成しています。
膀胱経に「志室ししつ」というツボがあり、腎のエネルギーがとどまるとされているのですが、この名前に腎経の精神的な働きが象徴されています。
すなわち、腎経は意志力です。
また腹部腎経は臍下丹田(せいかたんでん)と呼ばれる部位を含んでいます。
臍下丹田が鍛えられると、意志がしっかりし、老化を防ぐことができるのです。
腎の状態は、耳に顕著に現れると言われています。
膀胱経の機能
膀胱経は、腎経が生成した尿を、貯留・排泄する働きをします。
また膀胱経は、脊髄神経が通る脊椎の際を走行しており、自律神経全般の働きも司ります。
自律神経には、交感神経と副交感神経とがありますが、簡単に言えば、交感神経は、外界の働きに素早く反応するものです。(危険を察知した時に身を固くするなど)
一方、副交感神経は、内臓の働きを活発にするものです。
ですから膀胱経は内臓の働きを調整する役割と、外界の状況に応じて次の行動を準備する。という役割があります。
人間の肉体は、昼は交感神経が主になり、夜は副交感神経が優位になるようにできています。
このバランスが崩れ、昼間の交感神経の緊張が、夜になっても取れないと、安静に休むことができません。
交感神経が優位になれば、内臓の働きは抑制されます。
内臓の病気は、基本的には交感神経の緊張が抜けないために起こると言えます。
指圧が病気の回復を助けるのは、病人の体が副交感優位を取り戻すからです。
参考文献
関連ページ
腎経の働きと臍下丹田について
お元気ですか?の「元気」は「先天の気」(先天の気=腎経)
腎臓の内臓反射(腎経⇔膀胱経)
ツボとは交感神経が興奮する場所
「疲れ」が病気に変わるとき(自律神経の乱れ)
大脳辺縁系を開放し、くつろぎをもたらす指圧
全身の疲労・膀胱炎の緩和(耳を引っ張る・温める)