疲れが免疫力を低下させるメカニズム
湿疹やアトピー性皮膚炎、ぜん息はもちろん、最近ではガンなども精神疲労(ストレス)による免疫力の低下が原因の一つだと指摘されています。
疲れを溜め込むと、胃炎になったり風邪にかかりやすくなったり、アレルギー症状が悪化するのは、免疫力が低下したから。
なぜストレスで免疫が弱まるのか、そのメカニズムを解説します。
ホルモン分泌が乱れ免疫力が低下
精神疲労に対抗するホルモンで、最も重要なのが「糖質コルチノイド」です。
脳のエネルギーとなるブドウ糖を作ったり、気持ちの落ち込みを防ぐ作用があるホルモンです。
私達の体は強いストレスを感じると、この糖質コルチノイドを大量に分泌してストレスに対抗しようとします。
しかし、この糖質コルチノイドをさかんに作ると、他のホルモン分泌が二の次となってしまいます。
そして成長や生殖機能に作用するホルモン分泌がおろそかになると、無月経や卵巣の萎縮、性欲の減退、発育遅延、脱毛などの症状が出てきます。
病気に対抗するリンパ球も減少
糖質コルチノイドの過剰分泌が体の免疫力を弱める理由は他にもあります。
ストレスに対抗する糖質コルチノイドを作るために、体はタンパク質を大量に使います。
タンパク質は細胞や結合組織の原料となっているため、これが不足すると、皮膚炎が発症したり、傷口の治りが遅れたり、胃の粘膜細胞が傷つきやすくなったりします。
また糖質コルチノイドの生産によって「胸腺」が萎縮してしまうと、リンパ球が減少して免疫力が低下します。
リンパ球はがん細胞を撃退するなど重要な役割を担っているもので、病原菌から体を守るのに欠かせません。
リンパ球の減少は重大な病気を招くリスクを高めます。
単に「疲れ」だからと甘く見ていると、生命をも脅かす事態になりかねないのです。
参考文献
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