恒常性と調節(内分泌/外分泌)
例えば水を飲むと、体にとって余分な水分は尿として排出してしまいます。
肉を食べると血液は酸性に傾きますが、血液自身の働きで、元の酸性度に戻します。
体温についても、食事をしたり運動をしたりすると変動しますが、調節機能が働いて、変動を一日1度以内に抑えるようになっています。
このような恒常性を保つ仕組みは非常に複雑ですが、内分泌腺と外分泌腺が大きく関わっています。
体液の恒常性
ヒトが、外界という環境で生活しているように、体内の細胞は体液の中で活動しています。
これらの細胞は、周囲の変化に対して敏感で、体内ではその環境を構成する体液の組成、水素イオン濃度(ph)、浸透圧などが常にほぼ一定に保たれています。
つまり、水分、電解質、血糖量、体温の調節にも内分泌腺と外分泌腺は、大きな働きをしているのです。
内分泌、外分泌について
内分泌腺から分泌される化学物質をホルモンといいます。
内分泌腺の中心になって働くのは脳下垂体です。
脳下垂体からは成長ホルモンの他に、甲状腺、副腎、卵巣、精巣などに働きかけてホルモンを出させるホルモンを分泌しています。
ホルモンは血液によって運ばれ、体の働きを調節します。
内分泌腺に対して、唾液腺、汗腺や皮脂線など、普通の腺を外分泌腺といいます。
内分泌腺は導管を持たずに分泌物(ホルモン)は血管あるいはリンパ管に入りますが、外分泌腺は導管を持っていて、分泌物はそれを通って外に出ます。
外分泌腺は、形状によって5種類に分類されます。
1.単管状腺
→腸腺、汗腺など
2.複管状腺
→胃腺、子宮腺、涙腺など
3.単胞状腺
→小さな脂腺に見られる。
4.副胞状腺
→大きな脂腺、瞼板腺(目やにを出す腺)、耳下腺、乳腺、すい臓など
5.管状胞状腺
→胃の幽門腺、舌下腺、顎下腺、十二指腸腺、前立腺、肺など
本能の調節
本能には、自己を保存しようとする本能と、性行為をして種族を保存しようとする本能があります。
この本能を調節しているのは神経系と内分泌系です。
ヒトは成熟すると性欲が現れますが、これは性ホルモンが分泌されるためです。
この分泌の中枢は視床下部にあり、性欲を抑える部分と亢進させる部分があります。
この両方がないと、性欲が起こらないか、異常に高まったままになってしまいます。
このように調節作用には、促進系と抑制系がうまくからみ合って調節が行われるのです。
視床下部にはまた、食欲に関する中枢があり、空腹中枢と満腹中枢の働きでバランスを保っています。
これらの中枢には、血液中のブドウ糖の濃度を感じる糖受容器があり、そこを流れる動脈と静脈の血糖値の差によって刺激され、中枢の興奮が調節されています。
参考文献
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