目の不調は脳の疲れ
「毎日目を開いて物を見ているのだから、目を使わないなんてことはない」
と思うかもしれませんが、室内で近くばかり見て生活しているだけでは「目をちゃんと使っている」とはいえません。
そして、近くを見るのであれ、遠くを見るのであれ、目を酷使することも良くありません。
日常生活や仕事からくる筋肉疲労を軽視したり、スポーツなど筋肉の使用後のメンテナンスや休養を怠ったりすると、筋肉など体全体に疲労が蓄積され、筋肉の柔軟性が損なわれ、結果として機能低下を招くことがあります。
典型的な例をあげれば、
●肩こり
●腰痛
●肘や膝周辺の痛み
です。
こうした疲労性の損傷や機能低下は、単にその部分だけの不調に煩わされるだけではありません。
一部の不調は、周辺から全体に影響を与え、結果的には体調そのものの不調すら招いてしまいます。
腰痛や肩こりは一部分だけの痛みであるはずなのに、これらを抱えていると、ひどいときには日常のちょっとした動きさえままならないほどの苦痛を感じ、気力さえ衰えてしまうものです。
近視や遠視、老眼といった目の機能低下にも、こうした全身の波及がありがちなのです。
眼球というものは、典型的な神経組織の集まりです。
脳は頭蓋骨によって大切に保護されていますが、その頭蓋骨の前面に脳という神経の塊と直結して外界に露出しているのが眼球です。
眼球とは脳の出張所=脳が突出した器官ともいえるでしょう。
脳の機能はいうまでもなく体全体の機能とも直結しています。
視力の衰えは、脳の衰えを示唆し、脳の衰えは生命力の衰弱を示唆します。
比較的年齢の若い人でも、ムリを重ねたり深酒を重ねると視力の低下を自覚する方が少なくありません。
肉体や内臓の疲労やストレスによって視力は下がってしまうからです。
視力を健全に保つためには、心身ともに健康であることが大切なのです。
眼球の奥にある網膜は、人体組織すべての中でも最も多量の血液を必要とする部分です。
他に多量の血液を必要とする器官は何かといえば、脳です。
すなわち脳と、脳に直結する神経組織は、非常に多くの、しかも良質なエネルギーと新鮮な酸素を要求する、まことにぜいたくな器官です。
したがって、脳神経と眼球の網膜組織の毛細血管に流れている血流の速度は、人体各部の中で最も早い部類であり、1秒間でおよそ300メートルというスピードです。
それ程に大量の血液を必要としているからです。
この点からも、体全体の好不調が、視力に対していかに直接的な影響を与えるかが想像できます。
視力の低下、不調を自覚したなら、視力増進、改善の努力をするとともに、全身の健康状態にも注意を向けましょう。
放っておくと全身の不調や機能低下=老化の促進といった事態になりかねません。
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