サラサラ?ベタベタ?寝汗で健康チェック
頭部や首、腰などに粘っこい汗をかいていたら要注意
寝入りばなの汗は、熟睡するために必要な汗です。
脳細胞の活動を抑える為に、視床下部にある発汗中枢が体温を下げようとして汗をかくからです。
この時の発汗は寝汗といっても自然な生理現象ですので、異常ではありません。
また、朝方に多くの汗をかく人もいます。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠とに分ける事ができますが、レム睡眠時に怖い夢や興奮する夢などを見ると、中枢神経が刺激されて汗が出てくるのです。
レム睡眠の時間は朝方に向けて増加するので、ぐっしょり寝汗をかいて気になることもありますが、病的なものではありません。
ところが眠っている間に持続的に粘っこい汗を頭や首から胸のあたり、腰からまたの間にかく場合は注意が必要です。
これは寝汗と区別して、中医学では「盗汗(とうかん)」と呼ばれています。
生理的な寝汗はサラサラしていますが、盗汗の場合は、血漿の成分が多く濃い汗で、皮膚に出ても、蒸発しにくくベトベトしています。
また、汗でミネラルや水分が失われているので、起きた時から疲労感があるのが盗汗の特徴です。
寝汗を嫌がり、寝る前の水分摂取を控える人もいますが、それは逆効果です。
寝汗による脱水で血液の濃度が濃くなってしまいますので、十分に水分を摂るようにしましょう。
ただし、寝る前の水分補給は水や麦茶など利尿作用や刺激のない飲み物にしてください。
盗汗は、虚弱な人や不眠、口渇、ストレス、精神不安、自律神経失調症、結核、甲状腺機能亢進症などの消耗性疾患を患っている人に多く見られます。
原因不明の寝汗が続くような場合は、一度病院へ行って診てもらった方が良いでしょう。
女性であれば生理の状態(周期、痛み、血の質、気分など)も目安になります。
なお、飲酒量が多いと寝汗も多くなります。
アルコールにはもともと皮膚血管を広げて発汗を促進させる性質があり、二日酔いの時も寝汗が増えます。
二日酔いの原因と言われる有害物質、アセトアルデヒドが体温調節中枢に直接働いて、発汗中枢を刺激するからです。
暑さでかく寝汗には
ひんやりパッドを敷く、保冷剤入りの枕を使う、といった工夫がおすすめです。
参考文献
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