食後の過ごし方と消化のメカニズム
食べてすぐ横になるのはお行儀が悪い。
でも生理面から見た場合、食べてすぐ寝るのは是か非か?
結論から言ってしまえば食事をしたあと、身体を横にして休むのはマル。
でも眠ってしまうのはバツ。
ヒトに限らず動物は、消化のために少なからぬエネルギーを使用します。
歯で食物をくだいて細かくしたあと、消化液を加えてよく混ぜるという物理的過程。
さらにそれらの細分化した物質をコロイド粒子や分子レベルにまで分散・分解させ、加水分解酵素の作用によって最終産物であるグルコースなどの単糖類やアミノ酸、グリセロールと脂肪酸などに変える科学的過程。
消化ではこの二つが同時並行的に進みます。
精神的には「あー食った食った」といい気分ですが、おなかの中はもうてんやわんや。
体のほかの部分の働きは多少犠牲にしても内臓に血液をどんどん回し、体内のエネルギーを送ろうとしています。
食後に頭がボーっとするのはこのためです。
つまり、ボーっとするのは「食べ過ぎ」だからだともいえます。
だから寝るかねないか?でいえば「眠らずに横になる」のが正解ですが、
できれば「眠くなるほど食べない」ほうが体に負担をかけません。
たくさん食べてから横になると眠くなってしまいます。
眠り込んでしまうと脳から内臓へも休眠の指令が出てしまいます。
こうなると消化作業がおろそかになり、消化不良を起こしかねない。
だからと言ってたくさん食べた後に運動するのもよくありません。
食後、体を動かしていると健康なうちは内臓もがんばってくれますが、そのうちに疲労してきて消化不良が起こりやすくなります。
特に大腸での水分吸収力が低下して、下痢気味になる。
食後、すぐ動きたい場合や、「どうもおなかの具合がいまいち」という人は食事の量を抑えましょう。
たくさん食べてしまったときは食後に三十分程度の休憩を取ることをおすすめします。
ただし歯磨きを忘れずに。
上記の文章は以下の本を参照に管理人が編集・補足を行いました。
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満腹感と血糖値(栄養を身にするために)
お酒が入るとさらに感覚が鈍る。
それで気付いたときには満腹以上だったという現象が起こるのです。
慢性的に食べ過ぎの暮らしを続けると、胃の筋肉に締まりがなくなり、胃壁がだらしなく伸びます。
そうすると、いっぱい入るけれど消化は緩慢で、半分は下痢になってしまうこともあります。
入ることと吸収することは別問題です。
「いくら食べても太らない」と言いながら、実はほとんど垂れ流し。そんなケースも多い。
そんな状態ではせっかく高価な「美容にいい」「健康にいい」と言われる食品やサプリメントを摂ってもほとんど無駄になってしまいますね。
満腹感を感じる為にゆっくり食べなさい、とよく言われますが、シーンとした空気でゆっくり食べていてもつまらない。消化も進みません。
実は、おしゃべりはものすごくカロリーを消費するのです。聞いたり考えたりすることも含めて、会話はけっこう消耗になる。
だから食べることを重視するなら、盛り上がれる友人や仲間との食事を大事にすることです。
仕事がらみとか、面白くなさそうな場と、楽しく栄養を取る場をきっちり分けて考えるといいですね。
栄養を身にする為には、空腹感をしっかり楽しむことや、盛り上がって食べる場面を増やすことに真剣であったほうがいい。
メニューの内容よりよっぽど大事です。
身体にいいものにこだわりすぎるのは、失敗しない為に暮らしているような感じで、どうも的外れな気がします。
上記の文章は寺門琢己著「かわいいからだ」を参照に管理人が編集・補足を行いました。