カロリー計算は無意味!
●無理な絶食や偏食は消化器官を退化させる
やせたいけどカロリー計算や栄養のバランスを考えるのが面倒だから食事を抜く。
あるいは『○○だけダイエット』をする、という人がいますね。
口から入った食べ物は、消化、分解、吸収、代謝という一連の工程を経て、私たちの栄養になっています。
このシステムは、適正に各種栄養素が取り続けられている限り成立します。
ところが、食事を抜いたり、入ってくる食べ物に偏りが生じたりすると、この一連の工程に関わっている器官が退化してしまうことがあります。
断食の後にいきなり普通の食事を開始して亡くなった人がいます。
無理な絶食や偏食など、自己判断で食事のスタイルを急に変えるのは大きなリスクがあるということです。
●カロリー計算は無意味
ダイエットとセットになって必ず持ち出されるのがカロリーですね。
食品のカロリーはどのように測定されているかご存知ですか?
簡単にご説明します。
1.まず食品に含まれている糖質、たんぱく質、脂質を分解して重量を測ります。
2.それぞれを燃やしたときに発生する1グラムあたりの熱量をかけ、全体の合計値を出します。
これがカロリーです。
つまり、食品をただ燃やしたときに発生する熱量のことで、そこには、体内でどのように消化・吸収されているかなどということは一切加味されていません。
だから、仮に、おにぎりのカロリーが200キロカロリーだったとして、体内に入ってからも200キロカロリーのエネルギーが生まれるかというとそんなことはありません。
また、人によっても消化能力は違うわけですから、同じおにぎりを食べても、AさんとBさんでは発生するエネルギーは当然ながら違うのです。
もうひとつ、カロリーの問題は『糖質』と一言で言っても、ブドウ糖もあれば果糖もあります。
しかしカロリーを計算するときは、種類が違っていても、ひとくくりにされます。
油脂1グラムの熱量は『9キロカロリー』とされていますから、有害なトランス脂肪酸も、人体に必要な必須脂肪酸の不飽和脂肪酸も、同じグラム数ならカロリーは同じになります。
こんな稚拙な考え方でいいのでしょうか?
カロリーに気をとられていると、本当に大事なことが見えなくなってしまう危険性があるのです。
食べないのに太るからくり
『食事を減らして頑張っているのにちっともやせない』
これも実はカロリー計算の落とし穴。
ダイエット法の中には「摂取カロリーが消費カロリーよりも少なければいい」という考えもあります。
ところが、人間の体は算数の答えを出すように単純にはできていません。
人間は寝ていても呼吸をしたり体温を一定に保っています。
常に基礎代謝が行われていて、一定のカロリーは消費されています。
食事を制限するあまり、摂取カロリーがこの基礎代謝に必要なカロリーを下回ってしまうことがあります。
すると、体は飢餓状態になったと判断し、入ってきた食べ物を蓄えようとします。
炭水化物を速やかに皮下脂肪に作り変えるのです。
その結果、食べないのにやせない。
逆に肥満を招いてしまうことになるのです。
様々なダイエット法とその成功例を見たり聞いたりしますが、同じことをしても人によって結果が違いますね。
それは個人の体質や食歴が深く複雑に関わってくることなのです。
すぐにダイエット情報に飛びついたり、情報に振り回されるのはやめましょう。
●ダイエット=減量ではない
そもそもダイエットというのは「やせる」ということではありません。
本来は「健康的な食事」のことをいいます。
健康的な食事をとるようにすれば、その人の適正な体重に落ち着くのです。
標準体重などは目安でしかありませんので、本人が元気でいられるならば人から見てやせて見えても、ふとって見えても、それがあるべき姿なのです。
健康的な食事とは?(一例)
●豆をゆでてストックしておき、毎日の食生活に取り入れる
●小腹がすいたら市販のお菓子ではなくナッツやドライフルーツを食べる。
●朝は果物だけにする
参考文献
※管理人補足
無理をして食べたいものを我慢するのは良くないのですが、食べたくもないのに「バランスよく」と頑張ったり「からだにいいもの」にこだわりすぎるのも良くないと管理人は考えています。
もっとおおらかに食事や生活を楽しんで欲しいと思います。
食べたくないときは食べなくてもいいし、
「チョコレートしか食べたくない」「コーヒーしか飲みたくない」
というときはそれだけでいいと思います。
心身が回復すれば自然と「他のものも食べたい」となるからです。
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