他力依存は筋肉のゆるみを起こす
自分では何もしないで、人や物に任せてゆだねてしまうと、自分の筋肉がゆるんでしまいます。
健康器具や補助器具も、使い方を間違えるとかえって悪化させてしまいます。
以下に注意事項を並べます。
●ゴムのキツい腹巻やガードルの着用
腰痛や出っ張ったお腹の対策に、キツい腹巻やガードルをつけている人がいます。
確かに、つけたときは引き締まった感じがして、痛かった腰も平気になります。
しかし、問題ははずした時です。
何もつけていないときは、自分の筋肉は姿勢を支えるために緊張しています。
しかし、バンドやコルセット、サポーター、腹巻、ガードルなどを着用した瞬間に、体の筋肉は緊張する必要がなくなってゆるんでしまい、腰椎を支える筋肉は退化してきます。
腹巻やガードルがお尻やお腹の筋肉の代わりをやってくれるからです。
そして、筋肉が退化すると、腹巻をはずしたら自力で腰を伸ばすことができなくなって腰曲がりになり、坐骨神経痛になって歩けなくなってしまうのです。
●ゴリゴリマッサージ、バキバキ矯正
ある男性はぎっくり腰になり、町の接骨院で整体施療をしてもらいました。
そして、毎日来なさいといわれ、1年間毎日通ったそうです。
毎日腰をボキボキと矯正してもらっていました。
すると矯正直後はいいのですが、帰り道にはもう腰がずれて痛くなってしまう。
その繰り返しの結果、腰の筋肉はゆるみきって無力化してしまいました。
ぎっくり腰はお腹とお尻の筋肉を引き締めて、仙腸関節のズレを直していくのが本来のやり方なのです。
自分で引き締めて鍛えていくという作業をせずに、人の力でゆるめてばかりいたものだから、腰を支える筋肉がゆるんでしまったケースです。
筋肉というものはゴムと同じで、伸びたり縮んだりします。
筋肉をゴリゴリ揉み続けると弾力を失い、長い間あんまされ続けた筋肉は、その中の繊維があちこちで分断され、何度も使われて伸びきったゴムのように腑抜けになります。
特に背中の筋肉や腰をゴリゴリと揉み続けると、背中の筋肉は上体を起こして姿勢を正すという本来の役目を果たせなくなります。
その意味で恐いのが器械によるマッサージです。
背骨を伸ばすローラーマッサージ器などもたまにやるのは構いませんが毎日やるのはいけません。
使い続けると、背中の筋肉が弱って、前かがみになります。
おしりも垂れ下がり、猿のような姿勢になってしまいます。
ゴリゴリとマッサージすると筋繊維が切れます。
筋肉繊維細胞が切れると、収縮できなくなるのでゆるんで無力化するのです。
機械のもう一つの怖さは手加減や配慮がないことです。
痩せている方は直接背骨が当たるので、マッサージ器で脊椎がずれてしまうこともあります。
●手押し車の利用
また別の女性は、腰が曲がって、上体を起こすのが苦手なので乳母車や手押し車にもたれながら歩いていました。
楽ちんだと喜んで使っていると、最初は普通に歩けていたのに、歩幅がだんだん狭くなっていき、しばらくするとおしりの坐骨神経が痛んできて、脚が前に出なくなり歩けなくなりました。
そんな時は、しゃがんだりして休憩を取るとまた歩けるようになりますが、歩いてる途中で休んでいると、変に思われないかと気にかかるとか。
この状態は、骨盤を締めているおしりの筋肉がゆるんでいる(使われていない)ことから起こります。
腰椎の後弯を矯正し(仰向けで膝を立て、片足ずつ内側に倒す)、お尻の筋肉を強化(仰向けでおしりを上げるなど)して、姿勢は良くなっていきました。
姿勢矯正ベルト
やればやるほど姿勢を保持する筋肉がサボってしまい、はずしたときに猫背になります。
また猫背は歪みのために起こるので、歪んだままで矯正器を使うと息苦しいし、相当なストレスになります。
靴下の重ね履き
靴下を履くと温かさで汗腺が開き、そこから体温が逃げて、どんどん足が冷えてきます。
冷えを取るということは、靴下のいらない体になることですが、靴下の重ね履きをすることで、体は逆に冷えて、靴下が手放せなくなります。
これは電気毛布にも言えることです。
ボディスーツやガードル
これを身につけると痩せて見えるので使っている女性も多いようですが、筋肉は外から締め付けられると、自分で引き締めることをやめてしまいます。
結果、よりたるんで太ってしまいます。
腰痛コルセットや肘、膝のサポーター
どうしても痛い時だけ着用すればいいのですが、常用すると筋肉がサボってしまい、使う前より悪くなってしまいます。
物に頼るより、自前のガードルやコルセットを育てましょう。
頭の上に物を乗せて運ぶアフリカでは、猫背の人を探したっていません。
頭の上に物を乗せて歩くというのは、バランス力が要求されます。
また、首や背骨に対して垂直に力がかかるので、体の方はそのプレッシャーに対して背骨を伸ばして支えようとする筋力と、歪まないようにまっすぐに頭の重さを支えようとする強化・矯正作用が働きます。
結果、見事なプロポーションになりますので、興味のある方はぜひやってみてください。
ファッションモデルも頭に本を乗せて練習するそうです。
普段歩くときも、頭の上に物を載せているつもりで、頭のてっぺんを突き上げて歩くと、姿勢が正しくなり、見た目が美しく、肩こりや頭痛の解消にもなります。
参考文献
関連ページ
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★管理人補足★
整体やマッサージ、サポーターなどを一切やらないように、ということではなく、
「人任せ、物頼りにしすぎないように」「適度な力加減、使用頻度で」
ということです。
りらく屋では「自分で治す」「予防する」という方法の具体的なアドバイスもしており、一人ひとりにあった施術を心がけております。
体を痛めたり、弱らせたりするようなボキボキする矯正、強圧でのマッサージ、連日来るように言いつける、といったことは一切しておりません。