ふくらはぎに症状が現れる病気
心不全は、心臓のポンプ機能が低下してしまい、臓器に血液や酸素が行き渡らない状態です。
心不全によって起こるむくみは、下半身の場合は両足に現れ、痛みはありません。
腎不全とは、腎臓の機能が低下して正常に働けなくなった状態です。
腎臓にはさまざまな働きがありますが、一番主な働きは尿を作ること。
血液をろ過し、不要な老廃物を尿として体外に排出するのです。
腎臓の働きが落ちると体内にさまざまな老廃物がたまり、むくんでいきます。
腎不全によって起こるむくみも両足に現れ、痛みはありません。
その他、むくみとは別にふくらはぎに病気のサインがあらわれることがあります。
●下肢静脈瘤
静脈にある弁が機能しなくなり、静脈の血液が逆流することでむくみが現れます。
そのほか、足がだるい、重い、痛い、かゆい、足がつりやすいといった症状が現れます。
むくみとともに血管のでこぼこなどが現れるため、見ただけでわかりやすい状態です。
片足に起こることも、両足に起こることもあります。
●間欠性跛行かんけつせいはこう
足を引きずって歩くことを医学用語で跛行と言います。
間欠性跛行は、歩き始めは普通に歩けるのに、歩いているうちにふくらはぎが締め付けられるように痛み出して歩けなくなってしまいます。
この痛みは片足にしか現れないことと、しばらく休息すると回復するのが特徴です。
脊髄などの神経の病気から起こることもありますが、足の動脈が狭くなったり閉塞したりすることによる足の血行障害からも起こります。
●血栓性静脈炎
静脈の中に血のかたまりができて、周囲の血管や炎症を起こしたものです。
炎症がひどくなると、腫れがふくらはぎの筋肉にも及び、痛みや熱が出て静脈が腫れてきます。
この静脈炎も、片足のみにあらわれることが多い症状です。
飛行機旅行で見られるエコノミークラス症候群も、広い意味でこの症状に含まれます。
●筋ジストロフィー
筋ジストロフィーは、筋肉自体に何らかの異常が存在し、筋肉組織が破壊されて萎縮し、筋力が低下していく進行性の疾患の総称です。
この筋ジストロイーの初期症状として、腓腹筋が肥大し、ふくらはぎが大きくなるという症状があります。
こうした難病や重病の場合は、すみやかに医療機関で適切な治療を行うことが重要です。
ふくらはぎに現れる症状は、ものを言えない体が発するサインです。
日々、チェックをすることで重大な異変を見逃さずにすむことができるでしょう。
また、体の声に応えたケアをこまめに行うことで病気の進行を食い止め、さまざまな症状を緩和させることができるでしょう。
参考文献
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