ツボ療法の効果
ツボ療法は、皮膚を押したり揉んだりすることで、自動的に血行を良くする効果があります。
これは体表面の温度の上昇や、心電図にも顕著な変化があらわれることで確かめられています。
したがって冷え性などには直接的に大きな効果が認められています。
心臓病や高血圧を防ぎ、胃腸の働きも助けます。
鎮痛効果
痛みの感覚は、脊髄を通って脳に伝達されます。
ツボを指圧したり、マッサージを行なっていい刺激を与えると、脊髄が痛みを伝えるのをブロックする効果があります。
痛みを伝える門を閉ざすという意味から、この働きはゲートコントロール理論と呼ばれています。
また、関節や筋肉のこわばりをほぐし、関節などが炎症を起こして溜まった痛みの原因となる物質を散らす効果もあります。
鎮静効果
脳幹部には痛みをつかさどる中枢がありますが、指圧やマッサージを行うとエンドルフィンという痛みを抑制する作用を持った物質が分泌されるため、神経や筋肉の痛みやこわばり、コリなどを鎮めます。
興奮作用
ツボ療法は自律神経に働きかけるため、鎮静させるだけでなく、必要に応じて興奮させることもできます。
したがって、神経や筋肉の機能が低下したり、麻痺した状態を改善します。
反射的作用
内臓体壁反射という言葉があります。
例えば胃の調子が悪いと、胃に関係する神経の影響で、その神経がかかわる皮膚や筋肉に反応があらわれることをいいます。
二日酔いの時、背中の胃のあたりが帯状に固くなったり、肩がこったりするのがそれです。
ツボ療法で体癖の圧痛、硬結などの本能を刺激すると、反射的に内臓の働きを整えられます。
これを内臓体壁反射と呼んでいます。
誘導作用
ツボ療法では、仮に右足を捻挫した場合、反対側の左足や患部よりも心臓に近い部分を指圧することがあります。
同じように、頭がいたいときに足裏のツボを刺激したり、痔の症状には頭頂部にある百会というツボを刺激すると効果があります。
ツボ療法では、古くから「上の病は下でとれ、下の病は上でとれ」と言います。
患部を直接刺激するだけでなく、患部から離れた場所に刺激を与えることで、痛みや不調を緩和させる誘導作用があります。
全身の調和をはかる
ホルモンなどの内分泌や自律神経は、精神の働きと密接につながりを持っています。
ストレスが溜まって自律神経が失調をきたすと、肩こりをはじめ、さまざまな不定愁訴が現れ、それがさらに進むと体に器質的変化(胃潰瘍や十二指腸潰瘍など)を生み出しかねません。
ツボ療法は心地よく、肌の触れ合いによって、心理的にも安心感を与えます。
このため、ストレス解消や気力・活力の充実、全身の調整に高い効果があります。
女性特有の症状の緩和
女性にとって生理が順調なことは健康の証でもあります。
言い換えれば、生理不順や生理時に感じるさまざまな不定愁訴(頭痛、腹痛、腰痛、肩こり、めまい、イライラ、ヒステリー、冷え、むくみなど)は病気とはいかないまでも健康とはいえません。
これらの原因としては、個々人の体質や精神的なストレス、疲労などの影響が考えられます。
また更年期が近づくと、内分泌や自律神経のバランスが崩れやすく、生理不順や異常のみならず、さまざまな体調不良があらわれることがあります。
これらは昔から「血の道の病」と言われ、脾経、腎経、膀胱経などの反応が出やすいもの。
病的なものでない限り、これらの経絡にツボ療法を行うことで、女性特有の不快症状を取り除き、生理を正常な状態に導くことができます。
参考文献
関連ページ
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