舌診法(舌でわかる体質・体調)
舌、ベロを見るのは、望診の中でもわかりやすくて役立つ診断法の一つで、「舌診」といいます。
舌は粘膜に覆われ、血管がたくさん集まっているところなので、血液や体液の質およびその過不足が見てとれ、体調などがよくわかります。
そのため、東洋医学ではこの患者の舌を診る「舌診」を非常に重視しています。
舌診とは、舌質(ぜっしつ)と舌苔(ぜったい)を観察することです。
舌質というのは舌の形と色をいい、
舌苔とは舌の表面に出てくるコケのようなもののことです。
舌を見ることによって、どの臓器が病んでいるのかがわかります。
舌の根元中央であれば腎臓。
両サイドは肝臓と胆嚢。
中央右側は脾臓。
中央左側は胃。
先端は心肺を表します。
健康な舌はどんな舌?
正常な舌は、ふっくらと柔らかく、赤ちゃんの舌のように舌全体がきれいなピンク色(淡紅色)で、適度な湿り気を帯び、動きも滑らかです。
舌には、うっすら薄い白色の苔(苔を透して舌本体がみえれば正常)がのっている状態が、理想とされます。
※舌を出す際に、舌が震える人がいます。この所見は、自律神経失調症か、緊張しやすい、繊細な神経の持ち主にみられます。気疲れしやすい人です。
舌を見れば内臓の状態が分かる
白っぽい舌
エネルギーがなく、体が冷えていることを示しています。
赤い
心臓や、肝臓に熱を持っています。
濃い赤
体内に熱があります。
紫色
血が汚れています。悪血の状態です。
青色
白よりももっと冷えている状態です。
細長かったり薄い舌
弱い体質です。
ひび割れている
油脂を含む食べ物が多すぎで、体が陽性に傾きすぎています。
野菜を食べたり青汁を飲んだりすると解消します。
ふくれている/歯の跡がつきやすい
甘いモノやお酒、果物をとることが多く、胃腸が弱って水分の排泄が悪い状態にあることを示しています。
大根やウリ科の食べ物を増やし、あずきご飯やあずき茶を飲むと治ります。
舌苔の色が濃い
黄色っぽい舌苔が付着している舌は、歯周病や虫歯など口の中にトラブルを抱えている場合があります。
色が濃くなるほど体内に熱があり、炎症を起こしていることを示しています。
口臭の元でもあります。
喫煙者はタバコのヤニによって黄色っぽい舌苔になりやすいです。
更に注意が必要な舌の状態
舌に斑点(シミ)ができている
炭水化物や糖分、動物性脂肪が多く、血行が悪くなっています。
このような人は、顔や唇なども紫がかっていることが多いです。
肉を魚に変え、緑や赤の野菜を増やしましょう。
全体が白く黒い斑点がある
甘いものや果物、お酒など体を冷やす食べ物が多く、体全体が冷えています。
根菜を多く使った煮物を増やしましょう。
舌の裏側の静脈が怒張している
肉や乳製品、甘いモノが多くて血液がドロドロになっています。
野菜中心の食事に切り替え、油や甘いものを減らしましょう。
参考文献
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